ChatGPT APIモデル完全ガイド:2025年最新版 特徴・性能・価格比較

近年、OpenAIは次々と革新的なAIモデルを発表しており、開発者や企業にとって最適なモデルを選択することがますます難しくなっています。特に、GPTシリーズをはじめとするOpenAIのAPIモデルは、高性能化が進む一方で、用途に応じた適切な選択が求められます。

「どのモデルを使えばいいのか?」
「コストやパフォーマンスの違いは?」
「自社のユースケースに最適なモデルは?」

本記事では、2025年最新のOpenAI APIモデルの全ラインナップを網羅的に解説し、それぞれの特徴や用途、料金体系、最適な活用シーンを詳しく紹介します。あなたのプロジェクトに最適なAIモデル選びをサポートするため、ぜひ最後までご覧ください。

目次

ChatGPT API モデルラインナップ 2025年3月現在

OpenAIのモデルラインナップは大きく分けて以下のカテゴリに分類されます。

それでは、各カテゴリのモデルについて詳しく解説していきましょう。

最新フラッグシップモデル

GPT-4.5 Preview

GPT-4.5 Previewは現在OpenAIが提供する最大かつ最も高性能なGPTモデルです。深い世界知識と優れたユーザー意図理解力を持ち、創造的タスクやエージェント的なプランニングに特化しています。複雑な文章作成、学習、新アイデア探索などで卓越した性能を発揮します。

主な特徴:

  • 文脈ウィンドウ: 128,000トークン(大規模文書や複数ドキュメントをまたぐ高度な質問応答に対応)
  • 最大出力: 16,384トークン
  • 知識カットオフ: 2023年10月
  • モダリティ: テキスト入出力、画像入力に対応

料金:

  • 入力: $75.00 / 100万トークン
  • キャッシュ入力: $37.50 / 100万トークン
  • 出力: $150.00 / 100万トークン

応答速度: モデル規模が最大であるため、応答生成には比較的時間がかかります。大規模な内部計算により、GPT-4oと比較して5〜10倍程度遅いとの分析もあります。ただしその分、より文脈を深く理解した回答が得られます。

ユースケース:

  • 創造性や複雑さが要求される長編物語の創作
  • 複雑なレポート執筆支援
  • マルチステップの計画立案
  • 人間の専門家レベルの知識と創造力を必要とする用途
  • 大規模なコンテキストを活かした長大な文書の要約

GPT-4o

GPT-4o(「o」は「omni」の略)は、高知能で汎用的なタスクに対応できる高速なフラッグシップモデルです。マルチモーダル対応(テキスト+画像)や多言語対応が強化され、GPT-4シリーズの中核として、高性能と低コストを両立しています。

主な特徴:

  • 文脈ウィンドウ: 128,000トークン
  • 最大出力: 16,384トークン
  • 知識カットオフ: 2023年10月
  • モダリティ: テキスト入出力、画像入力に対応
  • 1秒間に100トークン以上を生成可能(従来のGPT-4 Turboの約20トークン/秒を大きく上回る速度)

料金:

  • 入力: $2.50 / 100万トークン
  • キャッシュ入力: $1.25 / 100万トークン
  • 出力: $10.00 / 100万トークン

パフォーマンス: GPT-4 Turboと同等以上の英語テキスト処理・コード処理性能を持ち、非英語言語でのパフォーマンスはGPT-4 Turboを上回ります。高いスループットと5倍の高いレートリミットを実現しており、リアルタイム性の求められる用途にも適しています。

ユースケース:

  • 汎用的なチャットボットやアシスタント用途
  • カスタマーサポートのチャットAI
  • コーディング支援
  • 文書要約
  • 翻訳
  • クリエイティブな文章生成
  • 画像解析(与えられた画像について説明や分析)

GPT-4o Audio

GPT-4o Audioは、GPT-4oファミリの音声対応モデルです。音声の入力と出力に対応し、音声会話や音声コンテンツ生成を可能にします。GPT-4oの言語理解能力に加え、音声処理(認識と合成)の機能が統合されたマルチモーダルモデルです。

主な特徴:

  • 文脈ウィンドウ: 128,000トークン
  • 最大出力: 16,384トークン
  • 知識カットオフ: 2023年10月
  • モダリティ: テキスト入出力、音声入出力に対応
  • WebSocketやWebRTCを介したストリーミングで、ユーザーの音声入力に逐次応答可能

料金:

  • テキスト入力: $2.50 / 100万トークン
  • テキスト出力: $10.00 / 100万トークン
  • 音声入力: $40.00 / 100万トークン
  • 音声出力: $80.00 / 100万トークン

音声品質: 感情表現豊かな音声で応答できるよう設計されており、対話に人間らしいニュアンスを加えることが可能です。音声出力は最大約4096トークン相当(数分程度)に制限されています。

ユースケース:

  • 音声アシスタントや対話型エージェント
  • 音声で対話するカスタマーサポートAI
  • 語学学習用の会話パートナー
  • バーチャル受付
  • テキストから高品質なナレーション音声を生成(オーディオブック、ニュース読み上げ)

リーズニングモデル(思考系モデル)

リーズニングモデルは複雑な推論ステップを実行する能力に特化しています。これらのモデルは「考えてから回答する」アプローチを取り、複雑な問題解決に適しています。

o3-mini

o3-miniは、コスト効率に優れた小型推論モデルで、主にコーディング・数学・科学分野に最適化されています。o1-miniの改良発展版とも言えるモデルで、同等のコンテキスト長を持ちながら知的性能を向上させています。

主な特徴:

  • 文脈ウィンドウ: 200,000トークン
  • 最大出力: 100,000トークン
  • 知識カットオフ: 2023年10月
  • モダリティ: テキスト入出力のみ
  • ツール使用や構造化出力にも対応

料金:

  • 入力: $1.10 / 100万トークン
  • キャッシュ入力: $0.55 / 100万トークン
  • 出力: $4.40 / 100万トークン

推論能力: 高速応答を実現しつつ、推論能力もバランス良く備えています。o1ほど複雑な内省は行いませんが、コードや数学問題に対する専門的最適化が施されており、これらのタスクでは非常に正確です。

ユースケース:

  • コード自動生成・デバッグ
  • 数学演算や公式導出
  • 科学技術文献の解析
  • 数式を含むQ&A
  • ランディングページ生成
  • テキストからSQLへの変換
  • グラフ関連のエンティティ抽出

o1

o1シリーズは複雑な問題を解くための最先端の推論特化モデルです。「思考してから回答する」アプローチを採用し、内部で長い連鎖的推論(チェーン・オブ・ソート)を行ってから回答を生成します。ツール使用や構造化出力、画像入力にも対応したフロンティア(最上位)推論モデルです。

主な特徴:

  • 文脈ウィンドウ: 200,000トークン
  • 最大出力: 100,000トークン
  • 知識カットオフ: 2023年10月
  • モダリティ: テキスト入出力、画像入力に対応

料金:

  • 入力: $15.00 / 100万トークン
  • キャッシュ入力: $7.50 / 100万トークン
  • 出力: $60.00 / 100万トークン

推論プロセス: o1モデルは回答までに内省的推論プロセスを挟むため、レスポンスはやや遅めです。例えば数式の証明やプログラムの解析などでは、モデル内部で何段階もの思考をシミュレートしてから最終的な答えを出します。その分、一貫性や論理的整合性の高い解答が得られます。

ユースケース:

  • 数学の証明問題の解答生成
  • プログラミングのデバッグやコード説明
  • 複雑な科学技術文章の質問応答
  • 論理パズルの解決
  • 外部ツールの利用(関数実行や検索など)
  • マルチステップ推論が必要なSTEM領域タスク

o1-mini

o1-miniはo1の高速かつ費用対効果の高いバージョンです。ただし、現在は同じ処理速度と価格でより高い知性を持つo3-miniの使用が推奨されています。

主な特徴:

  • 文脈ウィンドウ: 128,000トークン
  • 最大出力: 65,536トークン
  • 知識カットオフ: 2023年10月
  • モダリティ: テキスト入出力のみ(視覚情報の処理は非対応)

料金:

  • 入力: $1.10 / 100万トークン
  • キャッシュ入力: $0.55 / 100万トークン
  • 出力: $4.40 / 100万トークン

性能特性: o1に比べモデルサイズが小さく高速です。推論プロセスも簡略化されており、応答遅延は短縮されています。最新のo3-miniに比べると若干知能面で劣るとされ、OpenAI自身も「o3-miniの方が同等レイテンシーで高性能」と推奨しています。

ユースケース:

  • 大きな文脈を持つコード生成・解析
  • 長い関数のリファクタリング
  • 多ファイルに跨るコードベースの説明
  • 高度な数学問題
  • ある程度の推論力と速度・低コストのバランスが求められる場面

コスト最適化モデル

GPT-4o mini

GPT-4o miniはGPT-4oの小型軽量版モデルです。高速・低コストで日常的なタスクに適したモデルとして位置づけられています。モデルサイズを縮小しつつGPT-4oの128Kコンテキストや多くの知識を継承した、コスト重視の汎用モデルです。

主な特徴:

  • 文脈ウィンドウ: 128,000トークン
  • 最大出力: 16,384トークン
  • 知識カットオフ: 2023年10月
  • モダリティ: テキスト入出力、画像入力に対応
  • 極めて高速な応答処理

料金:

  • 入力: $0.15 / 100万トークン
  • キャッシュ入力: $0.075 / 100万トークン
  • 出力: $0.60 / 100万トークン

性能特性: スループットはGPT-4oよりさらに高く、クラウド環境での水平スケーリングにも向きます。大規模文脈(128Kトークン)を扱える点はGPT-4oと同じですが、モデルが小さい分、高度な推論や複雑な創造性ではGPT-4o本体に劣ります。

ユースケース:

  • 高頻度のAPIコールが必要な用途(大規模チャットボット運用)
  • リアルタイムな動的文章生成(ゲーム内NPCの会話など)
  • SNS投稿の自動生成
  • テキスト分類
  • 簡易な抽出タスク
  • 意図分類
  • 検索キーワード抽出
  • テキスト翻訳
  • タグ生成

GPT-4o mini Audio

GPT-4o mini AudioはGPT-4o miniに音声入出力機能を加えたモデルです。コストを抑えつつ音声対話や音声生成を実現することを目的としています。GPT-4o Audioの小型版であり、リアルタイム音声対話や音声コンテンツ生成を低コストで行いたい場合に適します。

主な特徴:

  • 文脈ウィンドウ: 128,000トークン
  • 最大出力: 16,384トークン
  • 知識カットオフ: 2023年10月
  • モダリティ: テキスト入出力、音声入出力に対応

料金:

  • テキスト入力: $0.15 / 100万トークン
  • テキスト出力: $0.60 / 100万トークン
  • 音声入力: $10.00 / 100万トークン
  • 音声出力: $20.00 / 100万トークン

音声処理性能:
音声認識・合成の品質はGPT-4o Audio本体より多少劣るものの、リアルタイム性は十分でスムーズな音声対話が可能です。応答遅延は短く、簡潔な応答であれば即座に返ってきます。

ユースケース:

  • 大量のユーザに対する音声チャットサービス(コールセンター向けAIオペレーター)
  • IoTデバイスの音声アシスタント
  • 組込ハードウェアでも扱いやすい軽量システム
  • 音声合成を用いた簡易ナレーション生成
  • アプリ内読み上げ

リアルタイムモデル

GPT-4o Realtime

GPT-4o Realtimeは、GPT-4oモデルをリアルタイム用途に特化させたバージョンです。WebSocketやストリーミングAPIを通じて、極低レイテンシでの入出力を実現するモデルとなっています。音声およびテキストのリアルタイム処理が可能で、対話を即時的に継続できるのが特徴です。

主な特徴:

  • 文脈ウィンドウ: 128,000トークン
  • 最大出力: 4,096トークン
  • 知識カットオフ: 2023年10月
  • モダリティ: テキスト入出力、音声入出力に対応
  • レイテンシ(遅延)の極小化

料金:

  • テキスト入力: $5.00 / 100万トークン
  • テキストキャッシュ入力: $2.50 / 100万トークン
  • テキスト出力: $20.00 / 100万トークン
  • 音声入力: $40.00 / 100万トークン
  • 音声キャッシュ入力: $2.50 / 100万トークン
  • 音声出力: $80.00 / 100万トークン

応答性能: モデル自体の推論速度も高速なGPT-4oを基にしており、さらにAPI側で最適化が行われているため、ユーザ発話中にも逐次応答を生成開始するようなインクリメンタル処理も可能です。その結果、人間同士の会話に近いテンポでAIが返答でき、「間髪入れず答えが返ってくるAI」を実現します。

ユースケース:

  • インタラクティブな音声アシスタント(スマートスピーカーやロボット)
  • ライブチャットサポート
  • ゲーム内NPCの会話
  • リアルタイム映像解析との組み合わせ(カメラ映像を見ながら即時に状況説明や警告)
  • 視覚障害者支援のデバイス

GPT-4o mini Realtime

GPT-4o mini RealtimeはGPT-4o miniをリアルタイム用途向けに調整したモデルです。小型モデルならではの超低レイテンシを活かし、多並列でのリアルタイム対話に向きます。高負荷時にも安定した応答を返すよう設計されています。

主な特徴:

  • 文脈ウィンドウ: 128,000トークン
  • 最大出力: 4,096トークン
  • 知識カットオフ: 2023年10月
  • モダリティ: テキスト入出力、音声入出力に対応

料金:

  • テキスト入力: $0.60 / 100万トークン
  • テキストキャッシュ入力: $0.30 / 100万トークン
  • テキスト出力: $2.40 / 100万トークン
  • 音声入力: $10.00 / 100万トークン
  • 音声キャッシュ入力: $0.30 / 100万トークン
  • 音声出力: $20.00 / 100万トークン

応答性能: 最速クラスの応答を誇ります。元のGPT-4o mini自体が高速な上、リアルタイムAPIによりネットワーク遅延も極小化されるため、体感的には即答に近いレスポンスが得られます。軽量モデルゆえ大規模なチェーン・オブ・ソートは行わず、その分シンプルな問答であれば数トークンのユーザ入力にも即座に反応できます。

ユースケース:

  • 大規模サービスでのリアルタイムチャット
  • SNS上でユーザと対話するBot(多数同時稼働)
  • ライブ配信中のコメントに瞬時に返答するAIアシスタント
  • 教育用途の対話型チューター(即時に質問に解答、フィードバックを提供)
  • 遅延の少なさが重要なケース全般

従来のGPTモデル

GPT-4 Turbo

GPT-4 TurboはGPT-4の改良版として2023年11月に発表されたモデルです。GPT-4の次世代版(第2世代)と位置付けられ、128Kコンテキスト対応やビジョン(画像)入力への対応、知識データのアップデートなどが図られました。
現在は新しいモデルであるGPT-4oが推奨されています。

主な特徴:

  • 文脈ウィンドウ: 128,000トークン
  • 最大出力: 4,096トークン
  • 知識カットオフ: 2023年12月
  • モダリティ: テキスト入出力、画像入力に対応
  • GPT-4より高速なトークン処理(1秒あたり約20トークン)

料金:

  • 入力: $10.00 / 100万トークン
  • 出力: $30.00 / 100万トークン

パフォーマンス: GPT-4より性能が向上しつつ、トークン処理速度も速くなっています。知識カットオフがGPT-4では2021年だったものが2023年4月まで拡張され、より最新の情報に近い知識を持ちます。全般的な問題解決能力やコード生成能力も微向上しています。

ユースケース:

  • 長い文脈を必要とする会話(小説全編の編集や長時間会話ログの分析)
  • 画像付きの対話(UIデザインのモック画像を与えて改良点を議論)
  • 表やグラフの画像を解析して要約
  • 高度な要約や意思決定支援

GPT-4

GPT-4は2023年前半に公開されたGPTモデルです。OpenAIの汎用AIとして大きな注目を集め、推論能力や創造性でそれまでのGPT-3系を大きく上回りました。8Kコンテキスト版と32Kコンテキスト版が存在し、高精度なタスク処理で定評があります。

主な特徴:

  • 文脈ウィンドウ: 8,192トークン
  • 最大出力: 8,192トークン
  • 知識カットオフ: 2023年12月
  • モダリティ: テキスト入出力のみ
  • 1秒間に出力できるトークン数は十数トークン程度(GPT-3.5より遅め)

料金:

  • 入力: $30.00 / 100万トークン
  • 出力: $60.00 / 100万トークン

性能特性: 非常に高い推論性能を持ちますが、応答速度は遅めです。複雑な問題への正答率や創造的文章の一貫性などは2023年当時群を抜いており、難易度の高い試験で人間上位に匹敵するスコアを示すなど話題になりました。

ユースケース:

  • 法律文書の解析
  • 医学論文の要約
  • プログラミングコーディング支援
  • クリエイティブな文章生成
  • AIエージェントの頭脳(外部ツールを呼び出しながら問題解決するシステム)

GPT-3.5 Turbo

GPT-3.5 TurboはChatGPTの初期バージョン(GPT-3.5)をAPI化した高速・低コストなチャットモデルです。2022年末〜2023年を通じて多くの開発者に利用され、事実上の業界標準となりました。4Kコンテキスト版と16Kコンテキスト版が存在します。
2024年7月以降、GPT-3.5 Turboと同等の速度を持ち、より安価で高性能、さらにマルチモーダルであるGPT-4o miniの使用が推奨されていますが、APIでは引き続きGPT-3.5 Turboを利用できます。

主な特徴:

  • 文脈ウィンドウ: 16,385トークン
  • 最大出力: 4,096トークン
  • 知識カットオフ: 2021年9月
  • モダリティ: テキスト入出力のみ
  • 高速応答(1秒間に50〜70トークン程度を生成)

料金:

  • 入力: $0.50 / 100万トークン
  • 出力: $1.50 / 100万トークン

性能特性: GPT-4系と比べると知的推論や複雑なタスクは不得手ですが、日常会話や簡易な質問への回答は十分こなせます。2023年のアップデートで関数呼び出し(Function calling)やシステムメッセージといった機能も追加され、開発用途で柔軟に使えるようになりました。

ユースケース:

  • カスタマーサポートの自動応答
  • 対話型ゲームNPC
  • 各種チャットボットサービス
  • 文章の下書き作成
  • 単純な要約タスク
  • 学術用途の大規模実験(大量のテキストコーパスに対する要約を一斉に行うなど)

画像生成モデル

DALL-E 3

DALL-E 3はOpenAIの最新画像生成モデルです。ChatGPTと統合された形で2023年後半に登場し、高度な指示理解と精密な画像生成を実現しました。GPT-4を活用したプロンプト解析により、DALL-E 2では困難だった詳細な要求にも応えることができます。

主な特徴:

  • 1枚の画像生成に数秒程度を要する
  • ChatGPTと統合して動作(GPT-4がプロンプトから詳細な描写指示を組み立て)
  • 最大解像度は1024px
  • DALL-E 2に比べ絵の構図や細部の一致率が格段に向上

料金:

  • 1024×1024: $0.08 / 画像
  • 1024×1792: $0.12 / 画像

特長: 絵の構図や細部の一致率が格段に上がっており、例えばテキストを含む看板や正確なオブジェクト数など、以前は苦手だった部分もかなり忠実に描写できます。プロンプトへの理解力が大幅に向上しており、同じプロンプトでもDALL-E 2より遥かに意図を汲んだ画像が得られます。

ユースケース:

  • イラストレーション作成
  • 広告バナー画像の自動生成
  • プロダクトデザインの試作
  • ゲームや映像向けのコンセプトアート制作
  • ストーリーや絵本の挿絵
  • デザイン案のブレインストーミング

DALL-E 2

DALL-E 2は2022年に公開された前世代の画像生成モデルです。多彩な芸術スタイルの画像を生成でき、一時期ブームを巻き起こしました。現在はDALL-E 3に主役の座を譲っていますが、APIでは引き続き利用可能です。

主な特徴:

  • 1枚の画像生成に要する時間はDALL-E 3と同程度
  • プロンプトの解釈能力は限定的(複数オブジェクト間の関係や細かなニュアンスを指示しても反映しきれないことが多い)
  • 芸術的なスタイル変換や写真風の画像生成に長けている
  • 解像度は最大1024px

料金:

  • 1024×1024: $0.04 / 画像
  • 1024×1792: $0.08 / 画像

特長: 「◯◯風の絵を描いて」といったスタイル指定に強く、抽象画や油絵風、3Dレンダリング風など多様な表現が可能です。画像の編集(Inpainting/Outpainting)機能も提供され、既存画像の一部を差し替えたり拡張する用途にも使われました。

ユースケース:

  • クリエイターのアイデア出し
  • ブログ記事の挿絵作成
  • 多様な芸術スタイルの探索
  • 既存画像の編集・拡張
  • 安価に画像生成したい場合
  • 実験的用途

音声関連モデル

TTS-1 HD(Text-to-Speech)

TTS-1 HDは高音質モードの音声合成モデルです。TTS-1と同じ6声種で、よりディープラーニングの計算を重ね、高品質な音声を生成します。リアルタイム性より音声の滑らかさ・表現力を優先したモデルです。

主な特徴:

  • 標準TTSより処理に時間がかかる(リアルタイム応答には不向き)
  • 非常に滑らかで、人間の話し方に近い抑揚や間が表現される
  • 一部ユーザ評価では「ElevenLabsに匹敵する自然さ」との声も
  • 長尺読み上げでも聞き疲れしにくい品質

料金:

  • $30.00 / 100万文字

ユースケース:

  • ナレーション付き動画の自動生成
  • 長編オーディオブックの作成
  • 多言語音
  • 多言語音声ガイドの作成
  • 人間ナレーターの代替となる高品質コンテンツ
  • 最終出力用の高品質音声合成

TTS-1(Text-to-Speech)

TTS-1はText-to-Speech(音声合成)モデルです。OpenAI初のTTSエンジンとして2023年11月に公開され、6種類のプリセット音声でテキストから音声を合成できます。TTS-1はリアルタイム処理向けに最適化されています。

主な特徴:

  • 低レイテンシでの音声合成(1秒未満で短文を音声化可能)
  • ストリーミング出力に対応
  • 品質はHD版に比べると抑えめ(若干ロボット的な抑揚)
  • エッジデバイスでも動作可能な軽量さ
  • サーバーサイドでも大規模並列処理が可能

料金:

  • $15.00 / 100万文字

ユースケース:

  • 対話システムの音声応答
  • カーナビやスマートスピーカーの即時応答
  • 障碍者支援(文字を音声に読み上げるリーダー)
  • 教育アプリ(単語の発音を素早く提示)
  • 速度重視の音声合成需要全般

Whisper(音声認識)

WhisperはOpenAIが提供する音声認識(Speech-to-Text)モデルです。2022年にオープンソース公開され、2023年3月にAPI提供開始されました。人間レベルの認識精度と多言語対応が特徴です。

主な特徴:

  • 日本語を含む99言語以上に対応し、ノイズ下でも認識可能
  • 話者の話す言語を自動検出
  • 認識したまま同言語で文字起こしするか、英語翻訳出力するかを選択可能
  • 認識精度は非常に高く、ヒトの誤字率に近いレベル

料金:

  • $0.006 / 分(文字起こし)

性能特性: リアルタイム認識をする場合、処理時間は音声長とほぼ同程度必要で、完全な同時通訳のような運用は難しいです(バッチ処理前提)。多言語音声を高精度に文字起こしでき、特に雑音環境下での頑健性が評価されています。

ユースケース:

  • 会議や講演の文字起こし
  • 自動字幕生成
  • ボイスアシスタントの音声コマンド認識
  • 国際会議の自動書き起こし
  • 動画プラットフォームでの多言語字幕
  • ChatGPTの音声入力機能

埋め込み(Embedding)モデル

埋め込みモデルは、テキストの数値表現を生成し、2つのテキスト間の関連性を測定するために使用できます。検索、クラスタリング、レコメンデーション、異常検出、分類タスクに役立ちます。

text-embedding-3-large

text-embedding-3-largeはOpenAIが提供する第3世代の大規模テキスト埋め込みモデルです。テキストを高次元ベクトルに変換し、意味的な類似度計算や検索に利用できます。embedding-ada-002の後継で、埋め込み次元数は3072に拡張されています。

主な特徴:

  • 埋め込みベクトルの次元は3072次元
  • 微妙な意味の差異までベクトル空間上で表現可能
  • 旧モデル(ada-002)に比べ、多言語検索のスコアが31.4%→54.9%に向上
  • 英語タスクのスコアも61.0%→64.6%に改善

料金:

  • $0.13 / 100万トークン

パフォーマンス: 他社の埋め込みモデルと比較しても遜色なく、むしろ多言語性能ではトップクラスとの評価があります。次元数が大きいためメモリやストレージ負荷がembedding-ada-002に比べ倍増する点は注意が必要です。

ユースケース:

  • 大規模ベクトルデータベース構築
  • 社内ドキュメント検索システム
  • RAG(Retrieval Augmented Generation)
  • レコメンデーション(文章プロフィールの類似度比較)
  • クラスター分析(意味の近い文章群の検出)
  • 高精度な多言語横断検索

text-embedding-3-small

text-embedding-3-smallは第3世代embeddingモデルの小型高速版です。1536次元のベクトルにテキストを変換し、パフォーマンスと効率のバランスに優れます。embedding-ada-002の直接的後継とも言えるモデルです。

主な特徴:

  • ベクトル次元は1536次元(ada-002と同じだが精度は向上)
  • ada-002比で多言語検索スコアが31.4%→44.0%に向上
  • 英語タスクの性能も61.0%→62.3%に向上
  • モデル軽量化により処理スループットも大きく改善

料金:

  • $0.02 / 100万トークン

パフォーマンス: レイテンシやリソース効率を重視する組み込みシステムや大容量データの一括処理に適しています。embedding-3-largeより高速にベクトル化でき、前世代ada-002を上回る性能を持ちます。

ユースケース:

  • モバイルアプリ内での文章embedding処理
  • 大量データの一括処理(何百万件もの商品レビューをバッチ処理)
  • 日本語・英語混在の検索システム
  • ChatGPTの知識検索部分
  • Assistants API内の知識検索最適化

text-embedding-ada-002

text-embedding-ada-002は2022年12月に公開された第2世代embeddingモデルです。長らくOpenAIの標準埋め込みモデルとして使われてきました。1536次元のembeddingを生成します。

主な特徴:

  • 1536次元のベクトル表現を生成
  • 多言語平均スコア31.4%、英語MTEBスコア61.0%
  • トレーニングデータは2022年までで固定

料金:

  • $0.10 / 100万トークン

性能特性: 最新のembedding-3モデルより低く、特に多言語での精度が劣ります。しかし依然として基本的な意味類似度計算には十分実用的な精度を持ちます。

ユースケース:

  • ドキュメント検索サービス(NotionAIやObsidianのAIプラグイン等)
  • カスタマーサポートFAQマッチング
  • テキスト分類(各カテゴリー代表文を埋め込み空間で比較)
  • 既存システムでは互換性維持のために使用継続

モデレーションモデル

モデレーションモデルは有害なコンテンツを検出するために設計された無料のモデルです。

omni-moderation

omni-moderationはOpenAIが2024年9月に導入したマルチモーダル・マルチリンガルなコンテンツモデレーションモデルです。GPT-4oをベースにファインチューニングされており、有害なテキストや画像を高精度に検出します。Moderation API経由で利用可能です。

主な特徴:

  • テキストと画像の両方に対応したモデレーションモデル
  • 前世代のtext-moderationモデルに比べて大幅に精度が向上
  • 特に非英語コンテンツでの誤分類減少、画像コンテンツの有害性検知で進歩
  • 各種カテゴリー(ヘイト、暴力、性的、自己傷害など)ごとにスコアを出力
  • 無料で提供(API利用者負担なし)

性能特性: GPT-4o由来の多言語能力により、日本語などでも暴力表現やヘイトスピーチの検出率が高まっています。テキストと画像の両方に対応した点で画期的で、以前はテキストと画像で別々のモデレーションモデルが必要でしたが、これ一つで済むようになりました。

ユースケース:

他社サービスの安全対策バックエンド

チャットボットやUGCプラットフォームの安全監視

ユーザ投稿のリアルタイムモデレーション

AIアシスタントが応答生成する際の安全チェック

画像を含むコンテンツの有害性検出

text-moderation

text-moderationはテキストのみのモデレーションモデルで、以前の世代のモデルです。現在はomni-moderationモデルの使用が推奨されています。

モデル選定ガイド:用途別おすすめモデル

コスト効率重視のチャットボット

  • 推奨: GPT-4o mini
  • 代替: GPT-3.5 Turbo
  • 理由: GPT-4o miniは低コストでありながら、マルチモーダル機能(画像入力)を備え、GPT-3.5 Turboよりも高性能です。

高度な推論と解析タスク

  • 推奨: o3-mini
  • 代替: o1(より複雑なタスク向け)
  • 理由: o3-miniは複雑な推論タスクに最適化されており、コスト効率も良好です。さらに高度な推論が必要な場合はo1を検討。

クリエイティブな文章作成

  • 推奨: GPT-4o
  • 代替: GPT-4.5 Preview(予算に余裕がある場合)
  • 理由: GPT-4oは創造的なコンテンツ生成に優れており、GPT-4.5 Previewはさらに高度な創造性を発揮しますが、コストが大幅に高くなります。

画像生成

  • 推奨: DALL-E 3
  • 代替: DALL-E 2(コスト重視の場合)
  • 理由: DALL-E 3は最新の画像生成能力を提供し、DALL-E 2はより安価ですが品質はやや劣ります。

音声インターフェース

  • 推奨: GPT-4o mini Audio
  • 代替: GPT-4o Audio(高品質が必要な場合)
  • 理由: GPT-4o mini Audioは手頃な価格で音声対応機能を提供し、予算に余裕がある場合はGPT-4o Audioがより高品質です。

リアルタイム応答

  • 推奨: GPT-4o mini Realtime
  • 代替: GPT-4o Realtime(高品質が必要な場合)
  • 理由: GPT-4o mini Realtimeは低コストでリアルタイム応答を提供し、GPT-4o Realtimeはより高品質ですがコストが高くなります。

埋め込み(検索、類似性)

  • 推奨: text-embedding-3-small
  • 代替: text-embedding-3-large(精度が重要な場合)
  • 理由: text-embedding-3-smallは多くのユースケースで十分な性能を低コストで提供し、高精度が必要な場合はtext-embedding-3-largeが適しています。

料金比較表

以下は、主要なOpenAIモデルの料金比較表です(100万トークンあたりの価格、USD)

Chat GPT API に関するよくある質問

キャッシュ入力とは何ですか?

キャッシュ入力は、以前に処理された入力トークンを再利用する場合の割引料金です。同じコンテキストを繰り返し使用する場合に適用され、コスト削減に役立ちます。

文脈ウィンドウ(コンテキストウィンドウ)とは何ですか?

文脈ウィンドウは、モデルが一度に処理できるトークン(単語や文字の一部)の最大数を指します。より大きな文脈ウィンドウを持つモデルは、より長い会話や文書を理解できます。

GPT-4oとGPT-4.5 Previewの違いは何ですか?

GPT-4.5 PreviewはOpenAIの最大かつ最も高性能なモデルで、創造的なタスクやエージェント型プランニングに特に優れていますが、コストが大幅に高くなります。GPT-4oは汎用性が高く、多くのタスクでバランスの取れた性能とコスト効率を提供します。

リーズニングモデル(o1、o3-mini)はどのような場合に使用すべきですか?

リーズニングモデルは複雑な推論ステップが必要なタスク(数学的問題解決、論理的分析、多段階の意思決定プロセスなど)に適しています。これらのモデルは「考えてから回答する」アプローチを取るため、精度を重視するシナリオに最適です。

埋め込み(Embedding)モデルとは何ですか?また、どのように使用しますか?

埋め込みモデルはテキストを数値ベクトルに変換し、テキスト間の意味的な類似性を測定できるようにします。これらは検索システム、レコメンデーションエンジン、クラスタリング、異常検出などのアプリケーションで使用されます。例えば、ユーザークエリと文書コレクションの類似性を測定するために使用できます。

ファインチューニング(微調整)に最適なモデルはどれですか?

GPT-4o miniとGPT-4oはファインチューニングに最適なモデルです。GPT-4o miniは低コストでファインチューニング可能で、特定のタスクに最適化した場合、優れた性能とコスト効率を実現できます。GPT-4oはより高性能ですが、コストが高くなります。

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